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【人的資本経営ストーリー作成塾】第7回 人的資本経営モデル(その5)


CHROFYは、「人的資本」や「人的資本経営」に関する専門家たちのご協力のもと、人事・経営に役立つ情報を定期的にお届けしています。

 

【人的資本経営ストーリー作成塾】では、事業創造大学院大学 一守靖教授から、人的資本経営や人的資本経営のストーリーを作成する上でのポイントなどを解説していただきます。

今回は、4回にわたりお届けしてきた「人的資本経営モデル」の総括と、多くの企業が抱いている課題についてご紹介します。

 

 

人的資本経営モデル 5 / 5

 

前回まで、「人的資本経営モデル」(図1)の全体像を概観し、特に「人的資本経営モデル」を構成する各要素間の連動が重要ではないか、という点についてお話をしました。

 

この「連動性」の重要性     については様々なところで     語られ     ており、企業で人的資本経営を推進しようと考えている経営者や     、経営企画部門や人事部門     の方々はすでに十分すぎるほど理解していることでしょう。

しかしながら、筆者の元には「企業内で様々な取り組みを     しているけれど、     なかなかうまく連動でき     ない」     という企業様からの     相談     が後を絶ちません。

 

こうした現象が起きるのは、2つの理由が考えられます。

1つめの理由は、「経路依存性」で     す。「経路依存性」とは、過去の経緯や歴史によって決められた仕組みや出来事にしばられる現象です。当然のことながら、昨今「人的資本経営」が強く注目される以前からも、各企業は人材マネジメント上の様々な課題を解決するためにその時々で最適であると考えられた人事戦略や     人事施策を導入してきたはずです。いまゼロから     新しく     作るわけではありません。

また、過去に導入した仕組み     は、     現在ではすでにその役割を果たしているのはわかっていながらも、従業員にとって「既得権益」化してしまい、それを変更しようとすると不利益変更として認められないケースも現実には生じます。こうした経緯で、個々の仕組み自体を見ればそれぞれの状況に対して部分最適化していても、     全体を見ると     お互いの整合性がなくなっている、ということが生じるのです。

 

2つめの理由     は、そもそも全体像を見ているようで見ていない     というものです。最近はCHRO(Chief Human Resource Officer)という役割が珍しくなくなってきましたが、それでもまだ人事部門が企業経営に深く関与するケースは多いとは言えません。

人的資本経営の推進にしても、本来は人事部門が経営メンバーの一員としてCEOやCFOなど他のCXOを巻き込みながら行うべき     ですが、日本では経営企画部門が主導しているケースが多い     のが現状のようです。その経営企画部門は、役割上、中期経営計画の策定など経営戦略の策定には深く関与する立場にありますが、人や組織の専門家ではありません。

従って筆者は、人的資本経営の推進は、人事部門が経営の全体を見据えながら自社にとって最適な形で推進すべきであると考えています。

 

それでは、経営の全体像を把握しつつ人的資本経営を構成する各要素の連動をとりな     がら、人材マネジメント戦略の立案・     施策の導入、その効果測定とPDCAサイクルを回すにはどうしたらいいのでしょうか。

その一助となるのが「人的資本経営キャンバス」というツールです。

 

次回は、この「人的資本経営キャンバス」についてご説明します。

 

一守 靖(いちもり やすし) 事業創造大学院大学 事業創造研究科 教授

慶應義塾大学経営学修士(MBA)、同博士(商学)。ヒューレット・パッカード、シンジェンタ、ティファニー、NCR等の外資系企業、ならびにbitFlyer等のベンチャー企業における人事部門の責任者としてジョブ型人事制度の導入、社員教育、組織文化の変革、人事部員の育成等を推進すると同時に、複数の大学院において教育・研究活動に従事。現在、事業創造大学院大学においてMBA学生を相手に「組織マネジメント/組織行動論」、「人的資本経営とDX」などを教えるほか、法政大学経営大学院兼任講師、富山大学大学院非常勤講師、ピープルマネジメント研究所代表を兼務。専門は人的資源管理論、組織行動論。

主な著書:「人的資本経営のマネジメント:人と組織の見える化とその開示」(中央経済社 2022年)

CHROFYは、今後も、人事・経営・IR担当者に向けて「人的資本」に役立つ情報を定期的に発信していきます。

何か「人的資本」や「人的資本経営」について、不明点やお悩みをお持ちの方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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